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C型慢性肝炎について

知っていますか?C型肝炎のこと

どのような病気ですか?

C型肝炎ウイルスに感染して起こる病気です

C型肝炎とは、C型肝炎ウイルスに感染して引き起こされる肝臓の病気です。しかし肝炎を発症していても、自覚症状がほとんどあらわれないため、気づかないまま日常生活を送っている患者さんも少なくありません。C型肝炎は、主に血液を介して感染します。日本での患者さんの多くは、C型肝炎ウイルスが発見される前に受けた輸血や血液製剤が原因と考えられています。現在は、検査体制が整い、感染のおそれはほぼありません。

C型肝炎の主な感染経路

※性交渉による感染や母子感染もありますが、ウイルスの感染力が弱いため、まれです。

C型肝炎ウイルス感染者の多くは60歳以上です

厚生労働省が実施した患者調査(平成23年)の結果、C型肝炎の治療を行っている患者さんは約16万人で、年代別にみると、60歳以上が大半を占めています1)
また、C型肝炎ウイルス感染者のうち、感染に気づいていない方や、感染がわかっていても医療機関を受診していない方は、現在も多く存在していると言われています。

1)日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会, C型肝炎治療ガイドライン(第8版)2020年7月,
https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c.html 参照月:2022年1月

C型肝炎患者の年代別内訳

1)厚生労働省:平成23年(2011)患者調査により作図

C型肝炎ウイルスに感染するとどうなりますか?

慢性肝炎は肝がんへとゆっくり進行する可能性があります

C型肝炎ウイルスに感染すると、約30%の方は自然にウイルスが排除されますが、約70%の方は体内にウイルスがとどまり続け(持続感染)、慢性肝炎へと移行します1)
慢性肝炎になると自然に治ることはほとんどありません。治療をせずに放置すれば、肝硬変や肝がんへと進行する可能性があります。肝がんの発症率は、放置した時間が長くなるほど高くなります1)

1)日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会, C型肝炎治療ガイドライン(第8版)2020年7月, p1-4
https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c.html (参照月:2022年1月)

C型肝炎の自然経過

※:肝線維化の程度による分類

肝がんの原因の65%はC型肝炎ウイルスの感染です

現在、日本では年間約3万人が肝がんで亡くなっており、部位別にみたがん死亡数の上位に肝がんが位置しています。肝がんの原因のほとんどが肝炎ウイルスの感染によるものですが、もっとも多いのはC型肝炎ウイルスで、全体の65%を占めています。
C型肝炎を早期に発見し、きちんと治療をして将来の発がんを防ぐことが重要です。

肝がん死亡者数の推移

1)厚生労働省:人口動態統計によるがん死亡データ(1958〜2015年)より作図
2)日本肝癌研究会:第19回全国原発性肝癌追跡調査報告(2006〜2007).日本肝癌研究会事務局,2014より作図

どのような治療法がありますか?

ウイルスの排除には抗ウイルス療法が必要です

C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎の治療には、肝炎ウイルスをからだから排除して治癒を目指す抗ウイルス療法(原因療法)と、抗ウイルス療法を行うことがむずかしい場合などに炎症をおさえて病気の進行を遅くする対症療法の2種類があります。どのような治療方法を選ぶかは、肝炎の進行度、炎症の度合いなどによって決まります。

C型肝炎の主な治療法

1)日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会, C型肝炎治療ガイドライン(第8版)2020年7月,
https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c.html 参照月:2022年1月

抗ウイルス療法は日々進歩しています

C型肝炎の治療法は日々進歩し、新しい治療法の登場によって治療効果が向上しています。これまでは、注射剤のインターフェロンを用いた治療が中心でしたが、飲み薬のみによる抗ウイルス剤が開発されたことで、現在の治療効果に満足されていない方や治療を中断している方に対しても選択肢が増えました。

C型肝炎抗ウイルス療法(ジェノタイプ1)の変遷

※:C型肝炎ウイルスの種類。日本ではこのウイルスタイプが最も多い。

1)日本肝臓学会 肝炎診療ガイドライン作成委員会, C型肝炎治療ガイドライン(第8版)2020年7月,
https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_c.html 参照月:2022年1月

治療にかかる費用はどのくらいですか?

ウイルス性肝炎に対する医療費助成があります

C型肝炎の抗ウイルス療法に対して、医療費を助成する制度があり、この制度を利用すると医療費の自己負担が月額1万円または2万円に軽減されます。
医療費助成を受けるためには、お住まいの地域の保健所などに申請する必要があります。

助成の対象となるC型肝の治療と自己負担限度額

※抗ウイルス療法と関係のない治療や肝庇護療法、インターフェロンの少量長期投与などの費用は対象となりません。

助成の対象となるC型肝の治療と自己負担限度額

※入院時食事療法・生活療養標準負担は別途負担

2022年1月現在

肝炎医療費助成の流れ

「医療費助成制度」の詳細につきましては、お住まいの地域の保健所または都道府県の窓口にお問い合わせください。

肝炎総合対策の推進/厚生労働省ホームページ:
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/080328_josei.html 参照月:2022年1月

感染の有無を確かめるにはどうすればよいですか?

C型肝炎ウイルスの感染は血液検査で調べます

C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかは、簡単な血液検査でわかります。検査は下図のように、まずHCV抗体検査によって抗体の有無を調べます。陽性の場合には、HCV-RNA検査によって現在もC型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを確認し、感染している場合はさらに詳しい検査を行います。HCV抗体検査で陽性だった方は、専門の医療機関で精密検査を受けましょう。

検査は保健所や医療機関で受けられます

C型肝炎ウイルス検査(HCV抗体検査)は、お住まいの地域の保健所や医療機関で受けることができます。
地域により、無料で受けられる場合があります。詳しくは、お近くの医療機関や保健所にご相談ください。

一度はC型肝炎ウイルス検査を受けましょう!
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